こんにちは。暑くなってきましたね。
夏休みはお子様の患者様で賑やかです。
今回は人間の発達についての面白い本がありましたのでご紹介させて頂きます。
これまで何千人とお子様の治療を担当させて頂いておりますが、同じ年齢でも話し方や動き方、親との距離感、落ち着きの度合いなどがバラバラで本当にいつも興味深く感じながら診療しております。
また自分の子供の発達を日々観察する中でとても早い分野もあれば遅れている部分もあると感じており、こういった発達のスピードの差は何による物なのかを考えることがあります。
そういった疑問に対するヒントがこの本にいくつかありましたので紹介させて頂きます。
①発達のピラミッド
学習能力、コミュニケーション能力の発達の前にはその土台となる能力の発達が不可欠という考え方です。
具体的にはまず呼吸、次に感覚、動き(姿勢)、言語と順に発達し、その発達が完了した段階で初めて学習能力、コミュミケーション能力の発達が期待できます。
つまり相手の気持ちを汲み取るスキルや集中して何かを行うといった高度な能力は小手先の教育で培われるものではなく、土台を振り返らないといけないということですね。いやーシビア。
確かに発達障害を疑うお子様の歩き方や息遣いは何か不自然な感じがあります。
もしかすると従来の発達障害の方に対する心理学的な対処に加えて土台をきちんと整えるアプローチがされればより効果があるかもしれないですね。
②動き発達の4段階
具体的に土台の部分をどう育てるのかを考えていくのかの1部分になりますが、動きの発達においては4段階あるとのことです。
脊椎、相同性、同側性、対側性です。
簡単にいうと脊椎は自分の軸がわかっているかどうかです。これは矯正治療においても常々感じているところですがやはり大切ですね。体幹は大切。
相同性は左右対称に使う能力、同側性は左と右をそれぞれ別々に使えるようになる能力、対側性とは左右が別々に真ん中をまたいで自然な動きができる状態です。
わかりにくいですが、具体的な動きで表現すると相同性はジャンプしたり手を叩くといった動き、同側性はケンケンや片手での不自然なボール投げなどの動き、対側性はお茶碗を持ってお箸でご飯を食べる、紙を押さえて消しゴムで消すといった動きです。
つまり簡単な動きを反復することで初めて次のステップの動きに移ることができるのでいきなり複雑な動きをすることはできないのです。親が周りの噂で良いと言われたからトランポリンや習い事などをさせた時に子供が興味を示さないのはそのステージではないからです。子供は勝手に飽きてくれるのでそれを待ちましょう。
筆者はそのことをわかりやすく発達はシャンパンタワーと呼んでいます。
③脳の発達は脳幹から
脳は脳幹→大脳辺縁系→大脳新皮質という順番で育ちます。
脳幹は生存に関する部分(闘争、逃避など)で、反射的な性質があります。
大脳辺縁系は快か不快か、良いか悪いかなどを判断して選択する領域で反応的な性質があります。
大脳新皮質は気配りなどを司る部分で対応的な性質があります。
脳幹は頚椎に繋がっています。
頚椎はもちろん背骨の一部のため体の土台がしっかりしていないと脳幹も育たないためコミュニケーションに影響が出ます。
いかがでしょうか?
発達障害という言葉は昔からありますが、広い視点で考えるとどのお子様も遅い部分や抜けている部分がありますのでそこまで発達障害か否かを決める線引きは明確ではないと思います。
つまりどのお子様にも多かれ少なかれ発達の不十分な部分があるのではないでしょうか。
この発達障害という分野は歯科でも少しずつ注目されてきております。
当院では毎週患者情報をスタッフと共有するカンファレンスを行なっておりますが、「何故こんな状態になったのか?」を考えていく際にどうしても腑に落ちない時があります。
例えば矯正治療において従来の原因追求としては骨格的な遺伝、体癖などに焦点を当てて探っておりましたが、やはりそれだけでは解明できないところも多く発達障害(ここでは体の発達として)が関与するところも少なからずあるのではないか感じております。
なかなか奥が深いですが歯科においてもそろそろ注目されてくるでしょう。
当院でも最新の情報を取り入れながら少しずつ臨床に応用していこうと考えております。
かいつまんで書きすぎているので興味のある方は是非本を手にとってみてください 🙂
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