お子さんの歯がなかなか生えてこない…そんな心配をされたことはありませんか? もしかすると、それは「先天性欠損(せんてんせいけっそん)」かもしれません。
先天性欠損とは、生まれつき永久歯が作られず、自然に生えてこない状態のことを指します。最近、先天性欠損の子どもが増えているのでは?と感じる歯科医師も多く、実際に研究でも増加傾向が報告されています。
この記事では、先天性欠損が起こる原因や、どの歯が欠損しやすいのかについて詳しく説明します。
先天性欠損は増えている?
日本国内の研究では、永久歯の先天性欠損は約10人に1人(10%前後)の割合で起こることがわかっています。また、過去数十年でその割合が増加しているという報告もあります。
この増加の背景には、遺伝的な要因に加えて、現代の食生活や生活習慣の変化が関係している可能性があります。また、歯科検診が充実し、早期に診断されるケースが増えていることも要因の一つと考えられます。
どの歯が欠損しやすいの?
永久歯の中で、先天性欠損が多い歯は以下の通りです。
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下の前から5番目の歯(下顎第二小臼歯)
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上の前から2番目の歯(上顎側切歯)
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上の前から5番目の歯(上顎第二小臼歯)
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下の前歯(下顎中切歯)(日本人では比較的多い)
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親知らず(第三大臼歯)(最も多いが、診断の際には除外されることが多い)
日々臨床していると下の前歯の欠損が多いように感じますがデータとしてはこのような結果なんですね。
特に小臼歯(5番)や側切歯(2番)の先天性欠損は、見た目やかみ合わせに影響を与えるため、治療が必要になるケースが多くなります。
先天性欠損が起こる原因
先天性欠損の原因はまだ完全には解明されていませんが、大きく分けて「遺伝的要因」と「環境的要因」が関係していると考えられています。
1. 遺伝的要因
親や兄弟に先天性欠損がある場合、お子さんにも同じような歯の欠損がみられることが多いです。研究では、PAX9やMSX1、AXIN2といった遺伝子が関与している可能性が指摘されています。
2. 環境的要因
妊娠中の母親の健康状態や、胎児への影響も関係すると考えられています。
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妊娠中の栄養不足(特にビタミンAや葉酸)
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ウイルス感染や薬の影響
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環境ホルモンや放射線の影響
また、進化の過程で現代人の顎が小さくなり、不要な歯が減少しているという考え方もあります。実際に、親知らずは進化の影響で退化しているといわれています。
先天性欠損がある場合の対応
もし、お子さんに先天性欠損が見られた場合でも、適切な対応をすれば問題なく成長できます。
1. 歯科検診を受ける まずは定期的に歯科検診を受け、永久歯が正しく生えているか確認しましょう。レントゲン検査で永久歯の有無を確認できます。
2. 治療方法を検討する
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隙間をそのまま維持(他の歯がバランスを取る場合)
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矯正治療(歯の並びを整える)
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ブリッジやインプラント(成長後に補う場合)
特に成長期のお子さんの場合、どのタイミングで治療を進めるか慎重に判断する必要があります。
まとめ
お子さんの永久歯がなかなか生えてこない場合、先天性欠損の可能性があります。最近では増加傾向にあり、特に小臼歯や側切歯で多く見られます。
原因としては、遺伝や環境要因が関係しており、現代の食生活や進化の影響も考えられます。しかし、適切な治療を行えば、きちんと噛める歯並びを作ることが可能です。
気になる場合は、歯科医院で相談し、早めに対策を考えましょう!
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