堺市堺区の歯医者 ゆうき歯科・矯正歯科クリニックのブログ

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医院ブログ

相手が「本当に望んでいるもの」を考える

こんにちは 🙂 

今回は「問診」に関するある本を紹介します。

『メディカルダイアローグ入門』という本です。

薄くて表紙もよくわからないキャラクターが書いてありあまり期待していなかったのですが、知り合いがお勧めしていたため一度読んでみました。

すると医療人としてだけでなく色々な方と接する上ですごく大切な事が書いてありました。

 

簡単に言うと「人の求めている本質を考える癖をつける」ということです。

 

日々の診療でよくあることですが、「できるだけ歯を削らないでほしい」という希望をよく受けます。

もちろん無駄なところを削ることは決してありませんが、条件によってはむし歯ではないところを削る事があります

例えば

こんな状態の大きなむし歯の場合は歯の中の神経まで細菌感染しておりますのでむし歯をとった上で神経の治療を行います。

その後歯の壁の一部は残るかと思いますが、薄いところは削ってしまいます

そしてかぶせ物(差し歯)にします。

なぜなら歯の神経をとると歯が脆くなるので薄くなっている歯の壁は残しておくと将来的に割れる可能性が高いので強度のあるかぶせ物でカバーしておく方が歯の寿命がのびるからです。

 

しかし、ここで患者様の「歯を削らないでほしい」というご希望とぶつかります。

 

ここで大事なのは患者様が何故歯を削って欲しくないのか、その希望の本質は何なのかを考えてみる事です。

 

それはおそらく「歯を長持ちさせたい」という事だと思います。

 

歯を削るほど寿命が短くなるというイメージがあるからでしょう。

もちろん無闇に歯を削ることは歯の寿命を縮めます。

 

今回は歯を残すために歯を削るのです。矛盾しているようですが間違っていません。

 

患者様は自分の歯を残したいですし、歯医者も歯を残したいのです。

歯を残す道筋が違うだけです。

 

それをわかっていないときちんとした治療を行なっているのに患者様の不満が残る治療を行う、または患者様の意見に流されて不十分な治療で終わらせるといった不幸せな結果になってしまうのです。

ですので本当に望んでいることをきちんと照らし合わせて確認し、専門的な立場から最善のルートを提案することが大切ですね。

 

これは日常生活においてももちろん活用する機会は多く、友人、家族、パートナーなどと意見が食い違う場合にそれが本質でなく手段の食い違いで無意味な言い争いなっていないかを振り返ってみるといいかと思います。意外と問題が簡単に解ける可能性が高いと思います。

 

子供が意固地になって何故そのおもちゃが欲しいというのか?

それはそのおもちゃがすごく欲しいのではなく、友達と仲良くなりたいから同じおもちゃが欲しいのかもしれないですし、親にかまってもらいたいので困らせるために欲しいと言っているのかもしれません。

頭ごなしに否定するのではなく、希望の本質を考える癖をつけましょう 🙂 

 

 

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