今回は視点を高くして病気というものについてお話させて頂きます。
歯科では昨今「予防」が注目されており、国の診療報酬も予防に対して少しずつ配分されてきております。
予防とはあらかじめ病気にならない事を目的としております。
もちろん病気にならないことはとても良い事です。
治療費用も時間もかからないですし、健康が一番ですね。
しかし、個人的には健康が叫ばれすぎているのではないかと思っています。
健康が素晴らしいと叫ばれる一方で病気をネガティブに捉え否定しすぎているような気がします。
この風潮がさらに強まると一度病気に罹患した方は不安や時には諦めすら覚え、ご自身で克服する気持ちが薄れてしまうのではないかと危惧しております。
例えば歯科医院でお越しになられる方で歯周病が重度のケース。来られた地点から見ると噛み合わせも崩壊しており、予防とはかけ離れた状況です。
既に病気なっている状況を自分自身、指導者はどう捉えるか。
今回はそれがポイントです。
大事なことは病気にかかってしまった状況を否定し諦めるのではなく「学び、成長の場」と捉えることです。
病気は生き方を見つめ直す機会を与えてくれるのです。
病気の原因は不規則な生活習慣かもしれませんし、時間の優先順位の都合かもしれません。
仕事、家族、恋愛、趣味といった様々なタスクをこなす現代人はストレスも感じやすいですし、生活習慣も崩れやすいです。
その中でたまたま病気になってしまったのです。
なったものはしょうがないです。
人は誰でも失敗はあります。病気になったことで落ち込むのではなくこれまでの生活、生き方を振り返るいい機会なのです。
また病気を経験する事で同じ不安を共感することもできるようになるため、人間的な成長にも大きな役目があると思います。
そのように病気をポジティブに捉える感覚を養うことも今後重要だと感じています。
それは患者様自身だけではなく、指導者(歯科であれば歯科医師、歯科衛生士、トリートメントコーディネーター)も心得るべき事だと思います。
先ほどの例のように歯周病で歯を何本も抜歯しないといけない状態で、歯科医師や歯科衛生士がどういう言葉をかけるか?
『これだけ歯が少ないとお食事もできないと思いますので、残っている歯は歯ブラシを頑張って残して入れ歯でもいれましょう。』と予防路線からずれた方と分類してすぐに治療を進めていくのか、
『お仕事もかなりお忙しそうですね。普段の生活も振り返ってゆっくり今後の方針を考えていきましょう。』と振り返りの機会をサポートするのか、
声の掛け方で大きくその患者様の生き方は変わります。
今後予防モデルだけではなく、病気との共生モデルも並行して発展していく必要があると感じておりますので当院スタッフにもそういった指導を心がけて参ります。
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