今回は睡眠時無呼吸と歯科の関連について少しご説明させて頂きます。
睡眠時無呼吸症候群は以前から生活の質に大きく関与するものとして全世界で関心が寄せられております。
最近では2022年に癌による死亡率が睡眠時無呼吸時に起きる低酸素血症と睡眠断片化の指標とやはり関係があるとという論文が出ておりました。(Kendzersla T et al Ann Am Thorac S 2022;19:807)
また、睡眠時無呼吸症候群は歯周病の罹患とも関連があるというデータも出てきております。(Khodadadi N et al J Clin Exp Dent 2022;14:e359)
無意識に起きる睡眠時無呼吸症候群がこれほどまでに体に影響を及ぼているとは、、なかなか怖いですね。
もしかすると気づかずに寿命を縮めている方もいらっしゃるのかもしれません。
そこで睡眠時無呼吸症候群をどう治していくのか。
ざっくり言いますと気道を広げることです。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に舌を支える筋肉がゆるんで重力により顎が下がり、空気の通り道である気道が狭くなることで起こります。
気道が狭まると最初はいびきという形で辛うじて空気が流れる状態として兆候が見られますが、重度の方は息が止まります。
気道を広げる方法として第一選択は医科で持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行うことが多くなります。
CPAPは人工呼吸器のような装置で、マスクを装着して持続的に空気圧をかけることによって上気道の閉塞を解除します。
次に用いられるのが歯科で作製する睡眠時無呼吸症候群用マウスピースです。
気道の狭い原因として下の顎が後退して気道を押し込んでいることがあります。
そのような場合に下顎を前に誘導するようなマウスピースを装着することで下顎が前に移動し、それに付着している舌も前に誘導されるので気道が広がるという原理です。
軽度の方であればこのような簡易的な装置で改善します。
CPAPと比べると効果は少ないですが、大きな機械であるCPAPよりコンパクトで持ち運びもしやすい物ですので一度試していただく価値はあるかと思います。
ただし、下顎が強制的に引っ張られるため顎の関節に違和感が出てくる方がいらっしゃいます。
どちらも対処療法であるためデメリットが出てくるのは仕方がないですね。
今後はマウスピースとしてはより快適なものが出てくるかと思いますので良いものが出てきたらご案内させて頂きます。
最後に睡眠時無呼吸症候群は年齢関係なく起こり得ます。
お子様でも最近そういった問題が見受けられます。お子様に関してはおねしょや多動など大人とはまた違った現れ方をしますので今後も注目されていくでしょう。
お子様に関しては骨格も柔軟で顎の位置の修正もしやすいため矯正治療の結果睡眠時無呼吸症候群もついでに治るというケースも珍しくありません。
大人の方はもちろんお子様のいびきが気になる方は一度ご相談ください。
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