こんにちは 🙂
今回は前回に引き続き歯医者でマイクロスコープが必要なタイミングについていくつかご説明させて頂きます。
早速例を挙げていきます。
①根管治療
歯の根の治療です。
マイクロスコープの出番が一番多いのはこの根管治療です。
根管治療というのは歯の根っこの中を掃除する処置です。
イメージとしては上の図のように細い器具を入れてゴシゴシするような感じです。
ただこの図のようにまっすぐな根っこは少ないです。
これは歯の根管に墨汁を流したものですが、まっすぐな根管は1つもないです。
また細くて入り口がわからない場合も多々あります。裸眼じゃ絶対に無理です。
最低でも虫眼鏡のようなルーペ(5倍程度)が必要ですが、それでも正直厳しいです。
マイクロスコープ(20倍)を用いてなんとか見えるといったところでしょうか。
一度根管治療を受けたのに症状が再発してくるというのは感染源の取り残しがほとんどです。
確かにあらゆる手段を用いても治癒しないケースもありますが、使う機材や手技のレベルで治療結果にかなり差が出るのがこの根管治療です。
②むし歯
小さなむし歯を取る時は基本的にはマイクロスコープはあまり使わず、う蝕検知液というむし歯のエリアを染める液を用いてその部分を削ります。
これくらいはっきり染まります。
きちんこのう蝕検知液を使えばマイクロスコープを使わなくてもむし歯の取り残しはありません。
しかし、むし歯治療に関してマイクロスコープが必須になる場面があります。
それは大きなむし歯で歯の神経が露出してしまいそうな場合です。
こちらは先ほどのう蝕検知液で染まっているのではなく、歯の中の神経(血流があるので赤いです)が見えているところです。大きいむし歯です。
一般的にむし歯が大きいと歯の中の神経まで感染しているので神経を全部取らないといけいです。
神経を取ると歯が脆くなって寿命が格段に短くなるというのは以前ご説明させて頂いたと思います。
ではこのような神経ギリギリ、または神経がちょっと見えてしまっている場合はどうなるでしょう?
ここで重要なのは神経が見えていることと神経が感染していることは別ということです。
神経が見えていたとしてもきちんとばい菌が入らない環境作りを行なって、感染している神経だけ取れば残りの神経は取らなくて大丈夫なのです。
ここで必須なのがマイクロスコープです。
歯を削りすぎると神経がさらに露出して感染のリスクが大きくなりますので、むし歯の場所とむし歯ではない場所を裸眼の20倍ぐらいの拡大視野で確認して歯の削る量を必要最小限にします。
また露出している神経の感染しているところと感染していないところを的確に判断するためにマイクロスコープを使って確認します。
死んでいる神経はドロッとした感じで風をかけるとちょっと動きます。生きている神経はサラーっとした感じですが出血はしばらくすると止まります。よく意味わからないですね笑。
つまり神経の生死は厳密にはわからないのでこれは歯医者の感覚で判断します。
この出血の差はマイクロスコープでないと絶対に判断できないです。
歯の寿命を大きく左右するタイミングなので安易に神経を抜かないように心がけております。
③形成
形成とはかぶせものや詰め物が入るように形を整えることです。
この写真はかぶせ物が入る土台の状態の写真です。土台の形にも様々なルールがありますが、ある程度ズレに対して許容範囲あります。
しかし、かぶせ物と歯の境目に関してはとても重要です。
歯ぐきの近くの境目の部分ですが、ここが滑らかでないと歯とかぶせ物の間に隙間ができます。それが大きいとむし歯になります。
いわゆるフィニッシングラインと呼ばれるところですが、そこを如何に滑らかにするかは非常に重要です。きちんと滑らかにできているかどうかを確認する場合はマイクロスコープが必要になります。
他にも外科処置の際の切開、縫合、インプラント治療の上顎洞挙上術などにも有効であることがわかってきています。
もちろん処置の精度は施術時間が長引かないことが前提での話なので術者の研鑽ができていないとマイクロスコープの有用性はないです。
今後はおそらく精密治療と割り切り治療が2極化するだろうと考えております。
中々自分に合った歯医者を選ぶのは難しいかと思いますが、もしきちんとした治療を希望されるのであれば(時間もお金も多少かかるかと思いますが)クオリティの基準の1つとしてマイクロスコープの有無を参考にされてはいいのではないかと思います 🙂
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