今回は歯の形について少しご説明させて頂きます。
歯の形と聞いてなんとなくイメージされるのは爪のような前歯の形、とがっている犬歯の形、ゴツゴツした石みたいな奥歯の形といったところでしょうか。
個々の歯についてそれぞれ多少の形の個人差はありますが、人間は大抵同じような形の歯が並んでいます。
それぞれの歯の形の特徴と役割について簡単に説明します。
①前歯
人の見た目に大きく影響するど真ん中の2本です。男性は四角い感じ、女性は丸い感じといったように性別や年齢によって多少の形態の差はありますが、簡単に言うと平べったくシャベルのような形をしています。
前歯の機能はまず噛み切ることです。前歯がない、もしくは上下の前歯に隙間があり噛めない方は麺類などを噛み切ることができません。
そしてもう一つの機能は発音です。た行などを話す時に舌が上の歯の裏に当たるかと思いますが、入れ歯への変更や前歯の差し歯の変更などでその厚みが変わると話しずらくなります。
②犬歯
牙のような形をした犬歯ですが、こちらも噛み切る機能が備わっています。
しかし、犬歯の最大の役割は歯ぎしりや食いしばりなどを行なった時に他の歯を守ることです。
こちらは下顎を左にスライドさせた状態ですが、犬歯だけが当たっています。
犬歯は歯の根がとても長く、強い負担に耐えることができるため正常な歯並びの方は顎をずらした時に犬歯だけ当たるようになっています。
犬歯は見た目を左右する特徴的な形をしておりますが、機能的にも大きな役割があるのです。
③小臼歯
歯の形としては少しとがった感じを残しながらもちょっとゴツゴツした感じが出てきているといったところでしょうか。
こちらの歯は噛み切る機能も少しありながら、すりつぶす機能も兼ね備えています。
どちらの機能もあるユーティリティな歯ですが、歯の根の長さは短いため負担をあまりに頼りすぎるとすぐに歯がダメになってしまいます。
難しい立ち位置の歯です。
矯正治療ではよく抜歯されてしまいます。
④大臼歯
岩のような複雑な形をした大きな歯です。
多少の個人差は差はもちろんありますが、噛み合わせの面の山と谷の位置は大体決まっており、それぞれ上の歯とパズルのように合わさってきちんと噛めるようになっています。
山と谷の角度や比率に関しても細かく決まっています。これ以上説明するとオタクなので割愛します。
本当に人間の歯はよくできています。
この大臼歯の歯の機能はすり潰すことです。食事のメインですね。
簡単に説明すると以上です。
つまり何が言いたいかというと、どの歯にも機能があるので1本なくなってもまだ沢山歯があるから大丈夫という考えは改めて欲しいということです。
例えば奥歯の大臼歯がなくなった場合、小臼歯が残っているのでひとまずお食事できないということにはならないでしょう。
ただし、先ほども申したように小臼歯は弱いです。すり潰す機能を全て頼ってしまうと必ず破綻します。
また歯並びがなぜ大切かということも見た目以外の観点から考えていきましょう。
犬歯が噛んでいないなど、きちんとした歯並びでないと歯の本来の機能が担えていないため、どこかに必ず負担が集中します。
歯の構造をもう少し詳しく知りたい方は以下の本をおすすめします。
歯科医師なら誰でも知っているバイブルです。
ただ詳しすぎたら歯医者側が構えるので気をつけましょう笑。