今回は入れ歯の製作工程についてご説明させていただきます。
入れ歯の作成を希望される場合、かぶせ物のように1週間では仕上がりません。
大抵の場合1ヶ月から1ヶ月半程度の期間をいただきます。
入れ歯の製作はいくつかの段階を踏みます。またその工程ごとに患者様のその地点の情報が必要になりますので5回程度のご来院が必要になります。
今回はその工程についてご説明させていただきます。
①歯の大まかな模型製作
まずは歯の型取りを行います。この工程で作られる歯の模型は入れ歯を作ることが目的ではなく、お口の中の情報を得るための模型を作ります。
入れ歯は単純に型取りをしていきなり入れ歯を作っていく訳ではありません。
入れ歯には支持、維持、把持という3点を満たすことで安定すると言われています。それらを満たす下準備が必要になります。
具体的には歯がない場所の土手の形、残っている歯の生えている形や方向、お口全体の大きさなどをまず確認します。
この情報をもとに、入れ歯の金具を設置する場所や残っている歯の形態を修正する場所を歯科技工士と連携を取りながら決めていきます。
安定した入れ歯を作っていくにあたりキーとなるのはレストシートと呼ばれる窪みとガイドプレーンと呼ばれる壁です。詳しくはそれぞれの単語を検索してみてください。
②精密な型取り
前回の型取りで得た情報を元に残っている歯の形態を修正していきます。
それが終わったあとにもう一度型取りを行なっていきますが、今回は前回の型取りとは違い、入れ歯を作るための模型が必要になりますので精密な型取りが必要になります。
入れ歯は歯ぐきの上に乗せるものです。しかし歯ぐきや粘膜は動きます。
入れ歯は粘膜の動きを想定した形を作っていかないと安定しません。
よって粘膜の動きの記録を取るために辺縁形成という工程があります。
辺縁形成を行なった上で型取りを行います。
③かみ合わせの設定
歯が多数失われている場合正しいかみ合わせがどの場所なのかがわからなくなっています。
つまりカチッっとかむ位置がないので左右の位置や噛み込む深さがわからない状態です。
こういった状況の場合は客観的な情報に基づいて歯科医師がかみ合わせの位置を決定します。
左右の位置と上下の位置を決めていきます。
左右に関してはゴシックアーチという装置を使います。
写真を見てもどのように使うかイメージが全くつかないと思います。
人間のかみ合わせというものはそもそも下顎、ひいては顎関節がリラックスできる位置が基準となります。その位置を視覚的に表現する装置です。
その位置は数値としては表すことが現在のところできませんが、顎の力を抜いてスーっと噛む位置が正しい位置です。
その正しい位置を如何に誘導できるかどうかが入れ歯を作る歯科医師の腕の差です。
上下の位置に関しても具体的な数値はありませんが、一応基準があります。
それはwillis法と呼ばれる方法です。
写真のように目から唇まで長さは鼻の下から顎の下までの長さと同じ長さになると言われています。
それを基準として残りは顔貌的に問題がないかを歯科医師の経験に基づいて決定します。
④仮合わせ
前回得た情報に基づいて一度人工の歯を並べます。また入れ歯のピンクの部分(床)の形も一度作ります。
実際に患者様のお口に入れてみてかみ合わせが問題ないか、見た目は問題ないか、しゃべりにくくないかなどを確認します。
この段階であれば完成品を削ったりせずに修正ができますので、この段階で最終的な形を煮詰めていきます。
⑤完成
いよいよ入れ歯の完成です。
ただし入れ歯を入れただけの状態と入れて実際にお食事をする場合では状況が違います。
お食事の際の顎の動かし方には個人差がありますので歯科技工士が想定できない噛み方をされる場合もあります。
実際にお食事をとってもらいながら修正を行なっていきます。
以上が入れ歯の作り方の大まかなご説明になります。今回は保険診療の入れ歯の作り方をご説明しておりますが、より快適にお食事のできる自由診療の入れ歯に関してはさらに工程が複雑になります。
このように入れ歯を作るには複数の工程が必要になりますのでお時間をお掛けしますがきちんとした入れ歯を作りにはどの工程も必要不可欠ですのでご了承ください 😥
また何度も入れ歯を作られて合わない方も上記のような行程をきちんと踏んだ入れ歯を作りますので一度ご相談ください 🙂
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