今回は食いしばりによって起こる全身的な症状をご説明させていただきます 🙂
食いしばりが全身に影響などあるのでしょうか?
この分野についてはまだまだ解明されていないメカニズムもたくさんありますが、ひとまず今の段階でメカニズムがわかっているものに関してのみご説明します。
その前に前提として食いしばりは良くないことです。
本来人間はリラックスしていると上の歯と下の歯に隙間があります(安静空隙と言います)。上の歯と下の歯が接触するのはお食事の時だけであり、前回のブログでも書きましたが、1日に19分程度が普通と言われています。
しかし食いしばりや歯ぎしりなどの癖があると歯と歯が接触する時間が長くなり、良くない全身的な症状が出できます。
食いしばりをしないようにすることが大事ですが、人間には食いしばりをする何かしらの理由があります。
食いしばりはβエンドルフィンという脳内物質を出し、ストレスを緩和させているので本来は習慣的な食いしばりを行なっている原因を突き詰めないと解決しません。
原因を解決することは日々の習慣のチェックが必要になります。
また緩和させるには認知行動療法、マウスピースの使用などがありますが、患者さんごとに異なるため今回は割愛します。
全身的な影響は以下が挙げられます。
①頭痛がする
食いしばると口の周りの筋肉が働きます。その中で側頭筋(そくとうきん)という頭の側面にある筋肉が特に強く作用します。下の図をご覧ください。
食いしばりによって側頭筋が疲労し、頭痛が起きているととらえます。
②肩がこる
こちらも筋肉が関係します。
その前に知っていただきたいのが舌骨(ぜっこつ)という骨です。顎の下にある骨です(下図参照)。
この骨は宙に浮いている珍しい骨です。筋肉に支えられているのです。
その中で肩こりに関与している肩甲舌骨筋(けんこうぜっこつきん)という筋肉があります。
肩甲舌骨筋は肩甲骨という肩の骨とくっついています。
食いしばりが起こると舌骨は上に引っ張られ肩甲舌骨筋も一緒に強く引っ張られるため疲労するのです。
それによって肩こりが起こります。
③顎の関節が痛くなる
これはイメージしやすいと思います。メカニズムを説明します。
顎の関節は上顎と下顎で構成されていますが、その間に関節円板という軟骨をはさんでいます。
関節円板があることで顎の動きがスムーズになります。
食いしばりが起こると関節円板が強く圧縮され、関節円板が逃げようとして本来の位置からずれてきます。そうなると上顎と下顎の骨が直接当たり始め顎が痛くなったり、カクっと音がなったり、口が開けにくくなったりします。
④めまい、耳鳴りがする
先ほどの続きで起こる症状です。上顎の凹んでいるところを関節窩(かんせつか)と呼びますが、そこには内耳神経という耳をつかさどる神経が走っています。
上顎の骨と下顎の骨が直接当たり始めるとその内耳神経が圧迫されめまいや耳鳴りといった耳の症状が起こります。
⑤目が疲れやすくなる
こちらも同じ理由です。内耳神経が圧迫されると鼓索神経(こさくしんけい)という目や味覚をつかさどる神経にも影響が及び(神経の支配関係は複雑なのであえて説明しません)、味がしなくなったり、目が乾きやすくなったりします。
⑥腰痛になる
先ほど申した関節円板のずれが起こると顎の位置がズレます。
それによって舌骨の位置がずれ、舌骨につながっている筋肉にずれが起きます。
それは頭の位置のズレにつながります。
そのずれは背骨のズレにつながり(頚椎→胸椎→腰椎→骨盤)、最終的には腰のずれが起こり腰痛となります。
以上のようにお口の異常は全身の問題につながっている場合が多いです。
逆も然りです。何度も申しておりますが歩き方や生活習慣による猫背、不自然な体勢などがお口の噛み合わせに影響を与えます。
当然全ての人間にはズレがあります。それを大抵は許容できますが、そのズレが過度になると何かしらの症状が出てきます。
おしなべて言えるのは左右バランスよく何事も行うこと、無茶苦茶な負荷をかけないことを意識して日常生活を送ることです。
またストレスを解消する手段を見つけることも大事ですね。
また新しい情報が出てきましたらお知らせします 🙂
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