こんにちは 🙂
今回は歯を抜く原因についてご説明させていただきます。
歯を抜く原因として一番に考えられるのは何でしょうか?
むし歯が1位と思いますか?
下の円グラフは最近発表された平成30年の永久歯の抜歯原因調査の結果です。
詳しくはこちらをご覧ください。
実は歯周病が1位です。
これに驚かれている方もいらっしゃると思いますが、少し歯の知識を持っている方からすると歯周病が1位という結果はすでに知っていると言いたくなるでしょう。
今回注目したいのは歯周病、むし歯に続く原因である「破折」という原因です。
下のグラフをご覧ください。
最新のデータと平成17年のデータの比較ですが、「破折」の割合が6、4ポイントも増えていることがわかります。
破折とは何でしょうか?
模式図で書くとこんな感じです。
歯に亀裂が入ったり折れたりすることです。
今回抜歯の原因として破折の割合が増えた理由として2つ考えられます。
1、むし歯と歯周病が減った
むし歯と歯周病による抜歯が減ったため相対的に残った抜歯原因が増えたように見えている可能性があります。
むし歯が進行しすぎて抜歯になる方は実際診療をしていても少なくっているように感じます。
また歯周病に関しては治療技術の進歩もありますが、それよりも定期的にクリーニングを兼ねたお口のチェックを受けられる方が増えたことにより抜歯にならずに済んでいるではないかと考えます。
この理由はいいことですね。今回は割合のみのグラフですが、抜歯の数の比較をすると平成17年より相当減ってきていると思います。
2、歯の破折が増えている
歯はすごく硬いイメージをお持ちだと思います。確かに歯はすごく硬い組織です。
しかし、覚えておいていただきたいのは噛む力の強さです。
噛む力は個人差はありますが、グッと力を入れて噛むと体重ぐらいの力をかけることができます。
平均すると約60キロくらいの力をかけることができます。
さらに!寝ている時の歯ぎしりはその3倍程度の力がかかる場合があります。
それは意識してグッと力をかけても脳がある程度力を制御しますが、寝ている間は力のコントロールがきかないからです。
そんな力が常に歯にかかっていたらさすがの硬い歯でも割れてしまうことはイメージできるかと思います。
また歯自体の問題として神経を抜いた(神経の治療をした)歯は脆くなります。
これは丸太ですが、年数がたつと脆くなりますね。それは切られている(栄養源を断たれている)からです。歯も一緒です。神経を取っている歯は年数が経つにつれて脆くなります。
歯に強い力が加わるタイミングとしては寝ている間や日中のくいしばりがありますが、その根本的な原因は明らかになっていません。日々降りかかるストレスが原因に1つと言われています。
ストレス社会が破折を増やしている可能性もありますね。
歯ぎしりや食いしばりは自覚がない場合がほとんどですが、将来的に歯の破折の原因になる可能性があります。
ちなみに破折の予防策として現在考えられているのは
・認知行動療法(気づきを与える)
・プロテクションスプリント(ナイトガード)
・ボトックス注射(噛む筋肉の働きを弱める)
・噛み合わせの再構成(特定の歯に負担が集中しないような噛み合わせに変える)
などがあります。
破折のリスク診断に関しては顔貌の対称性や、筋肉の発達度合、噛み合わせなど診査項目は多岐に渡ります。
自覚症状がないのに歯科で見てもらうのは煩わしいですが、歯科医院側としては毎日歯ブラシをきちんとしているのに歯が割れてしまって抜歯になるという悲劇を少しでも防ぎたく考えておりますので一度診査してもらうことをおすすめします 🙂
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