むし歯治療
むし歯は自然に治りません
むし歯は削り取り、空いた穴を人工物で修復する必要があります。
できるだけ削る量を少なく、痛くなく処置を行うために当院では様々な取り組みを行っております。
削る量を最小限に
歯は1度削ると元に戻りません。
1度の治療で大きく歯を削ると歯の寿命は顕著に短くなってしまいます。
当院では最小限の治療を行う基準として日本保存歯科学会のガイドラインに基づきむし歯の範囲を評価しております。
レーザーう蝕検知装置

むし歯の程度はこれまで手の感覚(柔らかさ)や見た目を基準に削る範囲を決めてきましたが、レーザー光の反射量によりむし歯の大きさを数値化することが可能となりました。
当院では削る量の範囲を測る手段として光学式う蝕検知装置(ダイアグノデント)を採用しております。
むし歯の再発を防ぐための取り組み
むし歯は削って埋めたら終わり、ではありません。同じ場所がまたむし歯になることは頻繁に起こります。
原因を把握し(歯並びの乱れがあるから磨きにくいなど)、そこが再発しない取り組みとして生活習慣の指導も行います。
むし歯が再発しにくい材質
むし歯は再発します。材質にこだわることによって再発の頻度を低くすることが可能です。
セラミック

見た目も白く、強度も高い素材です。見た目と機能性の両方を兼ね備えており、金属アレルギーの心配もありません。
また表面もなめらかで磨き残しがつきにくいので虫歯のリスクも低い素材です。
ゴールド

精度が一番高い素材です。金属ですがしなやかな素材であり、歯にピタッと合わせることが可能ですので虫歯のリスクはとても低くなります。
また適度な硬さで噛み合わせになじみやすい素材です。
むし歯予防に特化した予防プログラム
むし歯になった原因を見つめ直し、コントロールできるようなプログラムを組んでいきます。
またむし歯ができてしまった場合でも早期発見でき、削る量を最小限に抑えることができますので歯の寿命に影響を及ぼすことも少なくてすみます。

お子様のむし歯の原因は?
むし歯の原因は細菌感染です。
幼少期に両親と同じスプーンを使ったりペットボトルの回し飲みなどから感染することがほとんどです。感染する菌の種類によってむし歯のなりやすさが決定します。
大人のむし歯予防のポイント
むし歯のなりやすさは以下の5つの項目で主に決定されます。
①むし歯菌の種類・数
②唾液緩衝能
③唾液分泌速度
④歯垢(プラーク)量
⑤飲食回数
①~③の項目に関しては遺伝的な要因やこれまでの環境要因で既に決まっています。こちらの項目に関しては唾液④歯垢(プラーク)量と⑤飲食回数についてご説明します。
④歯垢(プラーク)量
いわゆる磨き残しです。歯垢が多いほどむし歯になる範囲は広くなります。
歯垢は時間が経つとバイオフィルムという膜を作ります。バイオフィルムが抗菌剤などのお薬も効かない頑固な汚れです。
例えるなら排水口のぬめりです。
このような汚れが歯の表面にこびりついている場合、排水溝のようにハイターなどの塩素系洗浄剤をお口の中にまいてぬめりを取り除くことはできません(ただれます)。
市販の洗口剤もお口がただれない程度の濃度なので口をゆすぐだけでは汚れを除去することはできません。
大事なことは歯の汚れはブラシで機械的に取り除く必要があるということです。
⑤飲食回数
歯はむし歯菌が出す酸によって溶かされます。お食事をするとむし歯菌の酸が放出され、お口の中が酸性になります。お口の中が酸性になっている時間が長いほど歯はたくさん溶かされてしまいます
右の図は一度お食事をしたときの時間と酸性度合い(pH)の関係を示したグラフ(ステファンカーブ)です。
簡単にまとめると一度食べ物を口にするとお口の中は酸性に傾き、歯が溶ける時間が約20分程度発生します。
しかし、その後何も口にしなければpHは唾液の力で元に戻り歯は再石灰化という溶けた歯が元に戻る現象が起こります。
以上を踏まえて注意していただいたいのが、飲食回数です。1度何かを口に入れると20分程度歯が溶ける時間が発生します。もしもダラダラ飲食を続けているとお口の中はずっと酸性状態となり歯は溶け続けてしまいます。
お食事は人間が生きる上で必要なものであり、必ずお口の中には食べ物や飲み物が入りますが、むし歯予防のポイントはダラダラ、ちびちびチョコレートなどを食べないことです。食べるなら全て食べきることが大切です。
当院では唾液検査を行っております。むし歯のリスクをしっかり把握した上で患者様ごとの生活習慣指導、歯ブラシ指導を行っておりますので一度ご相談ください。